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豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」

帝国ホテル二代目本館100周年の節目に始まる大回顧展、全国3つの会場にて開催【読者プレゼントあり】

アメリカ近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライト(1867-1959)の大規模展が、愛知県豊田市の豊田市美術館で10月21日より始まりました。

落水荘こと〈カウフマン邸〉や〈グッゲンハイム美術館〉の設計で知られるライト。日本国内では、帝国ホテルの二代目本館が代表作として挙げられます。日本を離れた後も、彼の薫陶を受けた建築家・遠藤 新(1889-1951)が実施設計を担当し、1924年に兵庫県芦屋市に〈山邑邸(現・ヨドコウ迎賓館)〉が、1926年には東京・池袋に〈自由学園明日館〉などが竣工し、貴重な遺構となっています。

豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展

フランク・ロイド・ライト〈ラーキン・ビル 椅子付き事務机〉1904年頃 豊田市美術館蔵

豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展

フランク・ロイド・ライト〈第63葉 ユニティ・テンプル、透視図 『フランク・ロイド・ライトの建築と設計』〉1910年 豊田市美術館蔵

豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展

フランク・ロイド・ライト〈クーンリー・プレイハウス幼稚園の窓ガラス〉1912年頃 豊田市美術館蔵

現在は博物館明治村に建物の一部が移築・保存されている帝国ホテル二代目本館(以降「帝国ホテル」と略)は、オープンした1923年9月1日に関東大震災が発生し、周囲の建物が軒並み損壊したなかで、被害が小さかった建築としても知られています。建築家としての名声をライトにもたらした帝国ホテルは、客室のほか劇場や舞踏会室などさまざまな施設を広大な敷地内に備えていました。ひとつの都市を内包したかのような、当時の日本では先進的な一大プロジェクトといえます。

ライトは帝国ホテルの竣工前にすでに現場を離れていましたが、彼が過去に接した多様な文化からの応用が各所に認められ、かつ日本での試みは、ライトがその後に設計した建築にも受け継がれているといいます。例えば、周囲の景観との有機的なつながりや、ミクロとマクロ、部分と全体のダイナミックな呼応、自然と結びついた高層建築の構想など、帝国ホテルはライトの建築を考えるうえで重要な分岐点となりました。

豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展

フランク・ロイド・ライト〈ジョンソン・ワックス 本部棟 中央執務室の椅子〉1936年頃 豊田市美術館蔵

豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展

フランク・ロイド・ライト〈ゴードン・ストロング自動車体験娯楽施設とプラネタリウム計画案(メリーランド州シュガーローフマウンテン)1924-25年 透視図〉米国議会図書館版画写真部蔵 Photo: Library of Congress LC-DIG-ds-10423

豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展

フランク・ロイド・ライト〈大バグダッド計画案(イラク、バグダッド)1957年鳥瞰透視図 北から文化センターと大学をのぞむ〉1957年 コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴス蔵
©The Frank Lloyd Wright Foundation Archives (The Museum of Modern Art | Avery Architectural & Fine Arts Library, Columbia University, New York)

今から11年前の2012年、フランク・ロイド・ライト財団から図面をはじめとする5万点を超える資料がニューヨーク近代美術館とコロンビア大学エイヴリー建築美術図書館に移管されています。建築はもちろんのこと、芸術、デザイン、著述、造園、教育、技術革新、都市計画に至るライトの広範な視野と知性を明るみにする調査研究が現在も続いています。ライトは熱烈な浮世絵愛好家としての顔も持っており、来日の理由の1つであったことが最近の研究で明らかになっています。

本展は、こうした近年の研究成果をふまえ、財団およびエイヴリー建築美術図書館の全面的な協力のもと開催されるもので、日本初公開となる建築ドローイングや図面も多数展示されています。

帝国ホテル二代目本館が竣工して100周年を迎えた節目の年に、谷口吉生(1937-)の名建築として知られる豊田市美術館から全国巡回のスタートを切り、愛知会場終了後は、東京と青森の会場でも開催されます。

展示構成

1. モダン誕生 シカゴ―東京、浮世絵的世界観
浮世絵の影響が明らかなライトの建築ドローイングや、ライトが手がけた浮世絵のコレクション室の展示プランを紹介。初期の重要な建築〈ユニティ・テンプル〉の図面や模型、ライトの師であったルイス・サリヴァンのもとで手がけた緻密な装飾ドローイングも展示される

2.「輝ける眉」[*註]からの眺望
プレイリー・スタイルの代表的住宅として、米国の〈クーンリー邸〉や〈ロビー邸〉を紹介。日本での実践として、〈山邑邸〉や「小田原ホテル 計画案」を取り上げる

3. 進歩主義教育の環境をつくる
実践的な建築教育の場としてフェローシップをタリアセンに開設したライト。〈クーンリー・プレイハウス幼稚園〉のためのドローイングと、実際に使用されたステンドクラスや家具のほか、〈自由学園明日館〉の図面や模型、同学園の教育資料なども紹介

4. 交差する世界に建つ帝国ホテル
1967年に解体された帝国ホテル(帝国ホテル二代目本館)で使用されていた家具や当時の図面などの貴重な資料のほか、同ホテルと同時期に設計された〈ミッドウェイ・ガーデンズ〉のドローイングが展示され、共鳴し合う2つの設計を通してライト建築の特徴を明らかにする

5. ミクロ / マクロのダイナミックな振幅
コンクリート・ブロックにレリーフ模様を施した〈ミラード夫人邸(ラ・ミニアトゥーラ)〉、「ドヘニー・ ランチ宅地計画案」や「サン・マルコ砂漠リゾート・ホテル計画案」のドローイングを紹介。また、ライトが考案した新たな工法により、手頃な価格に抑えられたコンパクト住宅〈ユーソニアン住宅〉の一部を再現して展示

6. 上昇する建築と環境の向上
水平ラインを意識したプレイリー・スタイルで知られるライトだが、その一方で垂直方向・高層建築にも早い段階から関心を示していた(帝国ホテルの草案などに散見される)。〈ジョンソン・ワックス本社ビル〉や超高層建築として計画された「マイル・ハイ・イリノイ」などを紹介

7. 多様な文化との邂逅
ライトと米国以外の作家たちとの交流にスポットをあてるとともに、重要なインスピレーション源としてのイタリアに着目。また、非西洋への眼差しとして、アメリカ先住民文化を取り入れた「ナコマ・カントリー・クラブ計画案」やイスラム圏への提案としての「大バグダッド計画案」の鳥瞰ドローイングも展示される

*註.輝ける眉:米国ウィスコンシン州スプリング・グリーンに現存する、ライトの自邸兼スタジオ「タリアセン」のウェールズ語名

 

豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展

「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」開催概要

会期:2023年10月21日(土)〜12月24日(日)
※会期中、一部展示替えあり(前期展示11月19日[日]まで / 後期展示11月21日[火]から)
開館時間:10:00-17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜
会場:豊田市美術館 展示室8
所在地:愛知県豊田市小坂本町8丁目5-1()
観覧料:一般 1,400円、高校・大学生 1,000円、中学生以下無料
※割引設定は豊田市美術館ウェブサイト参照
主催:豊田市美術館、フランク・ロイド・ライト財団
共催:中日新聞社
特別協力:コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館、株式会社帝国ホテル
助成:公益財団法人ユニオン造形文化財団
展示協力:有限責任事業組合 森の製材リソラ
後援:アメリカ大使館、一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、 一般社団法人DOCOMOMO Japan、有機的建築アーカイブ
監修者:ケン・タダシ・オオシマ氏(ワシントン大学建築学部教授)
特別アドヴァイザー:ジェニファー・グレイ氏(フランク・ロイド・ライト財団副代表、タリアセン・インスティテュート・ディレクター)

豊田市美術館ウェブサイト


巡回スケジュール
2024年1月11日(木)〜3月10日(日) 東京 / パナソニック汐留美術館
2024年3月20日(水・祝)〜5月12日(日) 青森 / 青森県立美術館


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受付期間:掲載から10月31日(火)まで ※終了
※応募者多数につき抽選
※結果発表:チケットの発送をもって了(個々の問合せには対応しません)
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません

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